前回のブログで、私は「なぜ日常を歌うのか。」
という話を書きました。
今回は、その続きです。
「日常を歌う。」
言葉にすると簡単ですが、実際にはどうやって一曲になるのでしょうか。
実は、自分でも少し不思議なんです。
昔の私は、景色を見ても「綺麗だったな。」で終わっていました。
海へ行っても。
夕焼けを見ても。
カフェへ行っても。
「楽しかった。」
それだけでした。
でもK×B Storiesを作り始めてから、景色の見え方が少しずつ変わりました。
例えば夕焼け。
今までは空を眺めて終わりでした。
でも今は違います。
「もしKが隣にいたら、どんな顔をしているだろう。」
そんなことを考えるようになりました。
少し風が吹いている。
髪が揺れる。
夕陽を見て微笑んでいる。
何も話さず空を見ている。
そんな情景が頭の中に浮かびます。
すると、ただの夕焼けだった景色が、一つの物語へ変わっていくんです。
海も同じです。
波の音。
潮の香り。
砂浜を歩く足音。
二人の歩幅。
少しだけ肩が触れる距離。
そんな何気ない時間を思い浮かべながら歌詞を書いています。
カフェもそうです。
コーヒーを飲みながら笑う。
今日あった出来事を話す。
「今日は疲れたね。」
「でも会えて良かった。」
そんな普通の会話が、一番心に残ります。
K×B Storiesには、大きな事件はありません。
劇的な別れもありません。
映画のような奇跡もありません。
でも私は、それでいいと思っています。
むしろ、その方が好きなんです。
人生を振り返った時、一番思い出すのは、大きな出来事ではありません。
何気なく笑ったこと。
何気なく手を振ったこと。
何気なく「またね。」と言ったこと。
そんな普通の一日なんです。
私は15歳で家を出ました。
昼は仕事をして、夜は高校へ通いました。
若い頃から生活することに必死でした。
23歳で独立してからも、毎日仕事ばかり。
失敗もしました。
遠回りもしました。
立ち止まる余裕なんてありませんでした。
だからなのかもしれません。
心のどこかで、ずっと憧れていました。
何も特別じゃない毎日に。
仕事が終わって「お疲れさま。」と言い合える時間。
コンビニへ寄って、飲み物を買う時間。
海を見ながら歩く時間。
カフェで笑い合う時間。
そんな普通の日常を。
もしかしたら、K×B Storiesは私の理想の日常
なのかもしれません。
だから曲の中では、無理に泣かせようとは思いません。
無理に感動させようとも思いません。
ただ、「こんな毎日っていいな。」
そう感じてもらえたら十分なんです。
K×B Storiesは、KとBという二人が紡ぐ、何気ない日常のラブストーリー。
誰かの実話ではなく、誰かの心にある物語。
だから主人公はKでもBでもありません。
この曲を聴いてくれる人、それぞれが主人公です。
「あ、この気持ち分かる。」
「昔こんなことがあった。」
「こんな毎日を過ごしてみたい。」
そう思ってもらえたら、それだけでK×B Storiesは完成します。
最近では、コンビニへ行っても歌になります。
夕焼けを見ても歌になります。
コーヒーを飲んでも歌になります。
不思議ですよね。
でも、それは何か特別な能力ではありません。
景色が変わったんじゃない。
私の心が変わったんだと思います。
AIと出会い、音楽を作るようになってから、毎日が少しだけ色鮮やかになりました。
「今日は何もなかった。」
そう思っていた一日にも、小さな物語が隠れていることに気付いたんです。
だから私は、これからも日常を歌います。
何気ない毎日を歌います。
人生は、大きな出来事だけでできているわけじゃありません。
笑顔も。
寂しさも。
優しさも。
「ありがとう。」も。
全部、何気ない日常の中にあります。
その一つひとつを、一曲ずつ大切に残していきたい。
K×B Storiesは、恋愛を歌う作品ではありません。
人生の中にある、小さな幸せを歌う作品です。
そして、その小さな幸せは、きっと誰の心の中にもあります。
だから私は今日も、何気ない日常を歌い続けます。
いつか誰かが、
「この歌、まるで自分たちのことみたい。」
そう笑ってくれたら、それが私にとって一番嬉しいことです。



コメント